japanoise.net

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOP

ノイジーなブラジル音楽のひととき   Talk about noisy Brazill

ブラジル音楽って、はんぱじゃなくノイジー、って知ってました??                                  ジュルジュ・まく・Kサカイ、というジャパノ界三大薀蓄んが贈る、ブラジル音楽の氷山の一角をスプーンで削るがごときバーチャル鼎談 !

「今宵貴方も、ノイジーなブラジル音楽で魅惑のひとときを・・・・・」(城達也調で)

This is vertial talking session about brazillan avangard music , from traditional? vossa nova to contemporary punk and techno music.

      出席者 ジョルジョ:沢田穣治 (ショーロクラブ、作・編曲家)

          まく:伊藤まく (japanoise.records、ex..NORD,CHILDREN)

          Kさかい:小堺文雄 (インキャパシタンツ)

 

 

まく:ところで、みなさん最近どんな音楽聞いてます? 別にノイズに限らず。 たとえばエレクトロニカとかで、お奨めとかあります?

Kさかい:エレクトロニカ?すんません、そっち方面は詳しくないモンで。

まく:エレクトロニカとかぼくは半分はシャレでいってますが、日本アヴァンギャルドの旧態依然たる地点から 軽々と飛翔するための装置が必要だな、と いつも思ってるんです。

Kさかい:なるほど。そうそう、デレク・ベイリーのTZADIKからのスタンダード曲のカバー集「Ballads」はすさまじいアルバムだと思います。 こんなに震えるほど感動したアルバムは久しぶりです。 もはや彼は間章の子供じみた「アナーキー」を越えた地平にたった、と思いましたね。

まく:うーむ。そういえば、未だに間章の亡霊に取り憑かれてるような人を知ってますけど、あのスタンスで行くと、 日本のノイズもいつまでも「アヴァンギャルド古典芸能」から飛びたてないのでは、と危惧してます。 「メルツバウ、非常階段と並ぶ日本ノイズ界の草分け」なんていわれるだけで、10年前と 同じ場所に踏みとどまっている・・・、という。

Kさかい:ええ。間章という人のいってることは、・・・・・(以下、止まらなくなるので省略)。

ところで、デレク・ベイリーの「Ballads」とバーデン・パウエルの遺作「Lembrancas」(<<左写真)を続けて聞くと、音楽というものの恐ろしさに触れられる気がします。

まく:かつてバーデン・パウエルとチャーリー・バードが「プラジリアン・ジャズ」みたいに乱暴に括られていたときがありましたが・・・。ルイス・ボンファ、A・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、ジョルジュ・ベン、・・・それぞれまったく違う音楽ですよね。ルーツとしてのサンバという共通性や、役割分担の違いがあるとはいえ、それぞれ独自の音楽性をもっていて、単純にジャンルで括れない気がします。

ところで、ジョルジュさんは日本におけるプラジル音楽演奏の草分け・“ショーロクラブ”で10年以上も演っておられますよね。バーデン・パウエル本人にもお会いになったことがあるとか?

ジョルジュ:ええ、そうなんです。以前バーデンが死ぬ前に来日したおりに、インタビューして記事も書きました。ほんとジョア ン(・ジルベルト)のこととか、裏話やまほど聞きました。

Kさかいジョアン・ジルベルト(右写真>>)の来日は見たかったな。

ジョルジュ:でも絶頂記の演奏は来日中聴けませんでしたが、気持ちは伝わってきました。 ほんと子供のような愛すべきじいさんでしたよ。

まく:バーデンの話を聞けたとは、うらやましい限りです。

ところで、何を隠そぼくはアントニオ・カルロス・ジョビン(<<左写真)崇拝者なんです。クラウス・オガーマン〜クリード・テイラーの世界です。余談ですが、マイケル・フランクスの「アントニオの歌」って、ジョビンに捧げているのかしらん。

彼の作曲技法って、ほんと、ある意味アヴァンギャルドといってもいいかも(笑)。

ぼくは、仰々しく人を驚かす手合いよりも、何気なく、音楽としてすっと入ってくるけれど、ほんとうはものすごく新しい、人のやっていないことをやっている、というのが前衛のあり方だと思ってますので。これは話すと長くなりますので、またの機会に(笑)。

ところでジョルジュさん、一口に「ブラジルの音楽」といっても、実際は500種類以上(!)あるって聞いたことあるんですがほんとですか。

ジョルジュ:500種類あるのかなっていま考えたらそれ以上あったりして(笑)。                                         そうそう、たしかリズムの種類は数えきれないくらいあります。

まく:ヘンな音楽、いっぱいありますね。たとえば、クラフトワークの“Man Machine”(邦題:「人間解体」)を、生演奏でやるブラジルのコンボがあります。オルガンとかコンガとか入ってて、「コンボ」、って感じ。。 そのイナタさと題材のギャップが、ぶっとんでて面白い。こんなバンドも、ブラジル以外ではちょっと考えにくいだろうな〜。

ジョルジュ:はまると怖い世界ですが、はまってもいいやと思えばこんなに面白い国はありません。                              現代音楽のつぶれ方もはんぱじゃないですし、 反面美しさもはんぱじゃなく、怖いくらいうつくしいです。

Kさかい:個人的にはRxDxPxのようなブラジル・ハードコアの崩れ方は好きですね。

まく:プログレでね、サグラド・コラッソだったかな。ブラジルのは、西洋ロックの方法論と、もっともっと肉体的な音楽性がすんなりと結びついて、 広がりがありますよね。ヴォーカルやヴァイオリンなんか、朗々としてて、天に届くような感じ。もちろんそれが趣味にあうかどうかはまた別の問題ですけどね。

Kさかい:ブルー・ノートの「ブルー・ブラジルvol.2」というオムニバスが面白かったです。 なんか自分にとっては全然知らないアーティストばかり(その筋では有名なのかも、と思います。一応、ブルー・ノートだから)。なんですが、 涼しげなフュージョンかと思ったらいきなりドロドロのファズ・ギターが土足で上がり込んできたり、 妙にダウナーなヴォーカルがサイケ臭さを撒き散らしていたり、とかの、どこかたがのはずれた音楽が多くて、結構はまりました。

ジャズとも、ファンクとも、サイケともいえるような、そのどれにも当てはまらないような。 これが全部60年代後半の録音というからたまげた(オリジナル盤の表記がないのが残念。)ジョルジュさんのおっしゃるように、この勢いをすればブラジルに500種類ぐらいの音楽あってもおかしくないですな。

まく:ところで最近のクラブ〜ハウス・シーンでも、英国Underwaterから出ている「TIMDELAX/The Little Ginger Club Kid」(右写真>>)などを聞くと、歌の扱い方などで南米のアーシーな要素を充分咀嚼した上で採りこんでいる。 たぶん、音楽を聴いてきた育ち方が反映されてるんだろうな。・・・全然ノイズじゃないですけどね(笑)。

あと、DJのシャーのリミックスなども、インドとか南米の要素がごく自然にテクノとかに溶け込んでる。 ちょっとこの泥臭さは、演歌に通ずるものがありますが(笑)。

エスニックな音楽に対して教養主義的な捉え方をするのは、日本だけじゃないのかな?

Kさかい:それは感じますね。私がジャズやブルース、ブラジルなんかの音楽を最近聴いているのは、別にどこかの評論家のように「黒人や第三世界の音楽は偉い!」と思って聞いているわけではなくて、 単に面白い音楽が聴きたいという欲求の結果ですね。

まく:余談ですが、最近「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を再度観たり、スコセッシがプロデュースしたBluce Exprosion見たりして感動し直してます。 音楽って人の生き方を変えるような力がある、ってことを思い出させてくれる。 MTVやmp3でばっかり聴いてると、そういうこと忘れがちだけど。

面白い音楽、ノイジーな音楽というものは、意外に思うようないろいろなところに、遍く(あまねく)ありますね。

次回、機会がありましたら、ジョルジュさんによる バーデン・パウエルのなまインタヴューを紹介しますね。ではでは。  (2004.6.27UP)