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2002.12.13 渋谷オンエア・ネスト
02年もノイズ、エレクトロニック・ミュージックの重要なイベントを開催してきた雑誌「電子雑音」が、雑誌「MAP」とタッグを組んで打った一大イベントが「貴女のはらわた」です。私、ここに山安籠のゲストということで出演して参りましたので、ご報告をしたいと思います。
会場は13日の金曜日で怪しく燃え上がっている渋谷の、さらにカップルの熱いラブ・ファイアで燃え上がる円山町の真ん中にあるNESTというライブ・ハウス。これがおもしろい構造になっておりまして、6階に入り口とドリンクカウンターのあるラウ
ンジ・スペース、そこから5階に下りると通常のライブ・スペースになっているとい うもの。つまり、ライブを普通に見るもよし、それに疲れたら上のラウンジでうだうだするもよしという欧米のクラブ形式の空間になっているんですね。
ということで、 こういった多角的に展開するイベントには打ってつけのロケーションだと思います。今回は、ラウンジの隅にも小さなステージを作って、ここでもライブを行うことで、5階と6階で常になにがしかのライブやイベントが行われていて、さらに物販の出店も出てるということでお祭り的な雰囲気が作られていました。
で、トップが6階での山安籠。彼女のサイケデリック・ヴォイスに後半私がエレク > トリック・オート・ハープで加わるという構成。まだ始まったばかりの時間帯でざわついた雰囲気の中、彼女のディープな世界がお客さんに十分浸透するまでには至らなかったように思えます。また、私自身としては初めての楽器でうまくコントロールで
きないところがあり、反省点が多い演奏でしたが、彼女としてはこういったオープンなスペースでのライブは初めての体験で、今までとは違う体験ができたと語っており、得るところの多いライブだったようです。
どうも年をとってきたせいか、オールナイト・イベントというもの自体が全開で過ごすことができなくなっています。そんなんでライブが終わった後、どっと疲れが出
> てきてしまい、居眠りしてしまいました。このため、ヒゲの未亡人などは見られませんでした。ごめんなさい。 控室代わりの一角でまどろんでいると、ちょうど昨年2月に「ノイズのはらわた」
で来日したフェリックス・クービンが制作したというアニメ・ビデオが流れていまし た。これが結構イカれた作品でおもしろかったです。商品の形で流通はしていないのでしょうか。気になります。
そうこうしているうちに、6階でティミショアラの演奏が始まりました。ティミショアラは池田恵子さんという女性によるハーシュ・ノイズ・ユニットです。「女
だてらの男勝りのハードなノイズ」という希少性の色眼鏡を成層圏に吹き飛ばす独自 のハードコアな世界を築きつつあります。この日はいつものスピード感よりも、ヘヴィネスが強調された演奏で、まるでコンクリートの塊が吹き飛んでくるような迫力
がありました。これがまたアルファ波が出ていたのか、ものすごく気持ちがよくなってしまい、睡魔に包まれてしまいました。うん、昔京都のゼロ・レコードのオムニバスに入っていた佐藤薫(EP-4!今どこにいるのでしょう。)の「コンクリート・リメ
ンバランス」というノイズの名曲を思い出しましたよ。この後、おなかがすいたのでラーメンを食べに行ってしまいました。
てなことで、帰ってみればすでに終盤近く。元キャロライナーのダイム・ダーシーもローラちゃんも見られませんでした。5階に下りると岸野雄一さんと田口史人さんによるビデオ塾
をやっておりました。いろんなビデオを見ながらそれに突っ込みを入れていくというもので、いろんなビデオが出てきてとても楽しめるショーでした。特に個人的には伝説の都知事選候補、三井理峯の政見放送が見れたことが収穫でしたね。やっぱ、この婆さん、日本最大級のアシッド野郎だわ。もう死んでるんだろうな。
そして、この日のライブでしばらく母国オーストラリアに帰国する青い目の江戸っ子姉御、KUNTさんのライブです。最初は重めのサンプリング・ノイズのループで始ま
り、不安な感じでしたが、突如、スイッチオン。音量が上がると同時にグラインダーが回転開始。身体のあちこちに押しつけるたびに火花が飛び散り始めます。そして最
後は客席に乱入、火花を四方八方に飛び散らせます。お客さんの興奮も頂点で、コートを着てブーツを履いたイケイケ風(死語)なお姉さんが踊り狂っている始末です。芸風が深化されていましたね。早く日本に帰ってきてな。
本来の予定ではここでお開きだったのですが、最後に6階で吉田アミさんのユニット、カリフォルニア・ドールズの演奏が始まりました。彼女ら、本当は山安籠の前に
トップで演奏するはずだったんですが、なんと演奏に中心的役割を果たす機材を忘れてきたということで、その機材を家まで取りに行っていたので、こんな時間にずれ込
んでしまったとか。演奏もそんな彼女らの天然ボケを反映した、脱力ローファイ・テクノ・ポップでした。
いつもの「電雑」企画にはない洒落た雰囲気が漂い、なかなか楽しめたのではない でしょうか。こういった企画はいろいろ苦労する部分もあると思いますが、アンダー
グラウンドなカルチャーの底辺を広げるためにも継続してほしいと思いますね。 (2003.01.12)
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