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ピンクフロイド 「神秘」(Dark side of the moon)
塚田哲也(URBAN COWBOY)
今でこそピンクフロイドというと"大金持ちのヨレヨレのオッサン"という イメージですが(笑)、若い頃は過激で凄かったんです。そんなフロ イドも
昔はノイズをやっていた・・・と言われたら信じられるだろうか? やってたんです!(メルツバウみたいなシューシューゴーゴーという サウンドではないけど)
着目したのは「神秘」という10分以上もある長い曲なんですが、セカンド アルバム「神秘」(1968年)でスタジオ録音版が、また2枚組みの 「ウマグマ」(1969年)でライヴ録音版が聞くことができます♪
(ちなみに「神秘」というアルバムは、サイケデリック・ロックの名盤と いわれている。)スタジオ版のほうが緻密でウルサイと思います。
で、曲なんですが3部(4部)構成になっていてノイズなのは、その中間部!! ニック・メイスンが超プリミティブなビートを叩き出す中、他のメンバーが
そこら中の楽器をブッ叩いてノイズを発生させています。この模様は ドキュメンタリー映画「ピンクフロイド・アット・ポンペイ」で見れますが、 デイブ・ギルモアが地面にしゃがみ込んでギターの弦を金属の棒みたいので
引っかいて狂音を発生させているし、ロジャーはシンバルとドラを狂ったみたいに叩いている。延々とやってます(汗)。 とくにギターの出す音は神経系
にダイレクトに響いてくる感じ。でも、なんつ〜か・・・・前衛なんだけど 美しいんだなぁ、この曲。ラストはまとまって綺麗なコーラスで終わる のですが、キリスト教的な世界観を表現しているのか もしれない。
ちなみにこの映画、ポンペイの廃墟のコロシアムの中で撮影されていて、 結構かっこいいです。フロイドは演奏テクニックは"普通"なのですが、 PAやエフェクターを使って音を加工したりするのが物凄くうまかったと思う。
それにしても「ウマグマ」のライヴ録音は音が悪くて残念だ。どこかの大学の 野外ステージでの録音だと思ったが、当時のフロイドは小さな小屋でも
たくさんライヴをやってた。
この時期というのは主力メンバーだったシド・バレットが発狂・・・・ というかノイローゼで脱退して、フロイドは苦しい時期だった。 「神秘」みたいな、とんでもない曲を演奏していたのもヤケクソだったのかも?
他にも同時期に「ユージン斧に気をつけろ!」なんていう、ヴォーカル が最初から最後までギャアーーーッ!!!と絶叫している曲もやってたし、 「太陽賛歌」なんて曲は、どんよりとしたアシッドなムードが漂っている。
こんな音楽が・・・保守的な英国でも意外と受け入れられたというのも、 新しいものOKというヒッピーっぽい雰囲気が当時あったからかも知れない。
あと「毛のフサフサした動物の不思議な唄」(だったかな?)ハエがブンブン うなってる中、ハエ叩きもった人が階段を上ったり降りたりしてて(笑)
昔は面白い曲だと思わなかったんですが、自分でも色んな音を録音しはじめると フロイドの音の録音に関するアイデアの豊富さに感心してしまう。 (当時フロイドは最もワケノワカラン音楽をやってるバンドと言われていた。)
しかしフロイドの場合、最初はアンダーグラウンドのサイケ・バンドとして 出発したのですが、過激で混沌とした実験的サウンドが、その後 急速に洗練
&様式化して"聞きやすい音楽"に進化?していき、商業的に大成功しま す。でも音楽的には尖がってた初期のほうが、面白いな。フロイドのファンでさえ
"最も聞きづらいアルバム"と敬遠される「ウマグマ」なんか僕にいわせれば、 まさに音楽(音)のアイデアの宝庫!!!
過去の音楽にも、色んな面白いもの が埋まっている。後に出現するテクノや環境音楽〜音響系の元祖だと思う。
混沌としたインプロ主体のノイズ(ノイズ音楽)も長くやってるうちに、 だんだん様式化していってしまう場合もあると思う。(ホワイトハウスも "もはや様式世界!"なんて書かれてるし・・・)。まぁ、いい意味でも悪い
意味でも、様式化してくのは音楽の宿命なのかしらん? でもピンクフロイド みたいに"儲かる音楽"になれるかは分からない(笑)。 (2003.06.02UP)
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